
性懲りもなく今回も出走記を書いていく。
これを書かないとレースが終わった気にならず、気が休まらない身体になってしまったようだ。
今年最後のレース。
良い区切りのレースになったのでしっかりまとめる。
当レースの目標
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何が何でも80分切りする。愚直にタイムを狙う。
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ネガティブスプリットではないレース展開を経験すること。
当レースの結果
グロスタイム: 1時間18分35秒
ネットタイム: 1時間18分33秒

レース前
前日は今までのレースで一番緊張を覚えた。
見知った人達と共にレースへ挑むこと。
地元開催のレースであること。
それらはリラックス要因になり得るかと思っていたが実のところは逆だった。
顔見知りの前で情けない姿は見せられない。
ちんけなプライド故に、前日に緊張してしまった。
風呂に浸かりながら情緒が不安定になり泣き出しそうになってしまったが、ふとした瞬間に我に返る。
途端に笑えてきて自身の不安定さに気付いた。
日常生活の中で、ここまで心が不安定になることもなかなかないので、いいこととして捉えることにした。
不安定ということは大きく動くエネルギーを秘めているということにも繋がる。
安定してばかりいては、物事の局面を大きく変えることはできない。
これはリスクを取ると言い換えることもできるかもしれない。
不安定さの重要性はレースシューズであるZoom X Vaporfly Next % 2がその性能を元に気付かせてくれたことでもある。
適度な不安定は武器だ。
トレーニングプラン
Eペース走を主軸に、TペースIペースを交えるのは上尾と同じ組み立て方。
もう少し時間があればジョグも増やしたかったが、短期間で疲労回復とパフォーマンス向上を目指したので、二兎追うことはせずに我慢。
前日刺激は思ったよりペースが出てしまったので欲張らず1kmで抑えることにした。
フルマラソンに向けた練習を再開する際はもう少しペースを落として距離を稼ぎたい。
レース1週前
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水: Eペース12km
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金: Eペース9km
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日:
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Eペース6km
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インターバル走 120” x 8 r=60”
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Tペース20分間走
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ジョグ6km
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レース週
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月: Tペース20分間走
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火: Eペース10km
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水: ロングインターバル走 2km x 3 r=120” (1set 7’30設定)
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土:
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Up 1km
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刺激入れ 1km (3’14)
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前夜~当日朝の過ごし方
あまり準備は万端ではなかった。
地元のレース、緊張していた割に気が抜けていた。
20:00
ゆっくりお風呂に浸かる。
22:00
いつも食べているきのこ鍋を食べる。
きのこは4種類。
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エノキ
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しめじ
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まいたけ
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ホワイトマッシュルーム
4種類入れると旨味が強い。いつでも美味い。
今年はこれらをレギュラーに鍋活動に勤しんでいる。
23:30
就寝。
3:00
目が覚める。
トイレに行く。
6:00
目が覚める。
しかし動けない。
7:00
二度寝から起床。
慌てて飛び起きる。
7:20
支度終了。
朝食。
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バナナ 2本
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アミノバイタル アクティブファイン
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オキシアップ 4錠
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水 コップ2杯
急いで摂取。
カフェイン摂取しそびれた。
モンスターエナジーを買っておいたけど、慣れないもんだから忘れてしまった。
7:50
会場到着。
アップも移動で同時消化済み。
焦っていたのでしっかり汗をかいた。
装備まとめ
シューズ
このシューズの魔力に魅せられている。
諸刃の剣。
味方で居てくれているうちはとても頼れる。
Nike: Zoom X Vaporfly Next % 2
ウェア
前回の上尾シティハーフマラソン2022とほとんど同じ。
今回は日差しが強そうだったのでヘアバンドではなくキャップを被った。
キャップ: On | Lightweight Cap
トップス: 参加しているランニングクラブのスリーブレスTシャツ
ボトムス: NIKE | レーシングタイツ Dri-FIT ADV Aeroswift
ソックス: SIDAS: Run Feel ML(40-41)
サングラス: AirFly | AF-501 C-1 Black Matt / Gray Lens
補給食
なし。
レースの振り返り

Start〜4km
今回のレースのスタートブロック位置は当日に目標タイムの書かれたプラカードに合わせて自分で選んで並ぶスタイルだった。
先頭は1時間20分以内のプラカード。自分の目標と合致している。
迷わず先頭付近へ進んだ。
明らかに強そうなメンツが集まっていたが、ここで臆していても仕方がない。
自分の記録をしっかり出すためにここにいることにした。
当レースの目標を再度書く。
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何が何でも80分切りする。愚直にタイムを狙う。
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ネガティブスプリットではないレース展開を経験すること。
そう、これらの目標を達成するにはうってつけのポジショニングだ。
速い人達の波に乗って、スタートダッシュを決めてやろうじゃないか。
自らの闘争心に薪を焚べていく。
スタート15分前頃に開会式が始まる。
拓殖大学の不破聖衣来選手から激励の言葉を賜る。
ランニングに精通している人には、新しいスター選手からスタート前に言葉をもらえる嬉しさを分かってもらえるだろう。
小さなスターは壇上で確かに輝いていた。
集中をしていたので、そのあとの記憶はあまりないが、10分後くらいにスタートした。
スタート直後はかけっこの様相を呈していた。
速い。
速そうな人達が我先に先頭へ躍り出る。
これだ!この感じ!
はじめて出たハーフマラソンから2週間。
先頭ブロックからスタート出来る喜びをこのスピード感で味わうことができて嬉しかった。
最初の入りは時計を見ずに3’45を切るくらいのペースで刻もうと思っていたので、感覚を信じてのびのびと走った。
緊張と興奮で普段と心臓の動きが違うような気がする。
しかし序盤は突っ込むと心に決めていたのでとりあえず成るように成れと思いそのまま継続。
後から気付いたことだが、この時点で心拍数は上尾シティハーフマラソンのゴール時の心拍数を超えていた。
恐ろしい。

5km〜9km
序盤で心拍数が急上昇しようが知ったこっちゃない。
6kmは知人の応援もあり更にギアを上げてしまった。
下り坂があったとはいえ3’37は流石にやり過ぎた。
心拍数は180台に乗る。
普段の高強度練習では足が先に売り切れ、心肺に余裕があるケースが多かったので不慣れな状況に突入していた
ネガティブスプリット以外のレース展開を経験するという意味では良い突っ込み経験になったと思う。
あとはタレなければいいだけだ。
タレたらポジティブスプリット。
タレなければイーブンペース。
結果はまだ決まっていない。
あとは自分次第だ。
この日の私は随分と好戦的だった。

10km-14km
苦しさとコースの起伏で集中力が低下してくる。
3人ほどの小さな集団になっていたが、各人のペースが起伏に応じて変化するため、走りやすい集団ではなかった。
ただ上りが得意な方がいたので、上りのタイミングはその人に引っ張ってもらった。
下りが得意な人には勝手に行ってもらって、フラットになったら追いつくように付かず離れずの距離感で進行した。
心肺が追い込まれている中で下りを攻めるほどの勇気はなかった。
これは良い判断だった。
折返し地点を過ぎ、スライドで仲間と声を掛け合う。
手を上げたり声を出したりするのは走りだけに目を向ければ無駄な行為だが、不思議と本当に楽になる。
苦しいけど口角が上がる。
仲間とのコミュニケーションを通して得た力を元にひたすらペースをキープする。

15km〜19km
15km地点突入。
あと6kmと考えると気持ちに余裕が出てくる。
一番苦しい坂を越えたあともいやらしい坂は続く。
気持ちが途切れないように、フォームを再修正してリフレッシュ。
体幹がブレる走りになっていたようだ。
腕振りのリズムを意識する。
しっかりとテンポを刻む。
両の腕を振り子のようにして胴体を通過させる。
脚が前に出る。
これをただひたすら繰り返した。

ゾーンに入った状態で、同じクラブチームの先頭メンバーに追いつく。
無言のデッドヒートを繰り広げ、3,4回抜いたり抜かれたりした。
負けたくない。
あくまでも自分との戦いではあるが、いつも切磋琢磨している仲間がレース中の相手になったからには全力で勝ちにいきたい。
最後にはポンと背中を押してくれて、「行ってくれ!」と激励の言葉を掛けてくれた。
涙が溢れそうになったが、心に火をつけて少しピッチを上げた。
力強く走ろう。
正直身体は限界を迎えていたが、最初で最後の給水を取りラストスパートに備えた。
給水では何故か握力が2になっていたせいで水を取り損ねる。
気を取り直して少し先のテーブルで給水成功。
給水所は係の人の距離が近く、応援を間近に受けられるので精神面への回復効果もある。
私はそこまで強い人間ではないのでそう感じている。

20km-Goal
遂にラストスパート。
コースには10kmマラソンの部の方たちが増えてくる。
そのため道が混み合ったが集中力を切らさずひたすら前に進む。
自らのゴールに向けて。
心拍数は190を記録。
練習では滅多に見ない数字。
コースに人が増えてきたことで独りじゃないという意識が強くなり、前へ進む脚に力が入る。
着地が不安定になってきたことを自覚。
最後まで脚を挫かずに着実に進む。
そして速く。
陸上競技場に入ってからはストライドを伸ばしてスパート。
すべてを出し切って今回のハーフマラソンを完走した。

Goal後
80分切りを達成できたことを確認し、喜びで胸がいっぱいになる。
ゴールに礼をしてクラブチームの仲間の元に戻る。
クラブチーム内では一着でゴールできたことを確認。
一層喜びが増す。
デッドヒートを繰り広げた仲間と握手を交わす。
「ありがとうございました。」
本気でぶつかりあったからこそ心から出てくる言葉がある。
そのあとは一度シャワーを浴び、打ち上げへ。
2次会まで出席してふわふわと帰宅。
みんなよく走りよく飲む。
また元気に乾杯がしたい。力を絞り出したその後で。
翌日のダメージ
お尻と太ももの筋肉痛がメイン。
背筋にもややハリがある。
大きな筋肉への筋肉痛なので、上尾よりうまく身体を使えていたのではないかと思っている。
レースの感想
終始キツかったが出せるものはすべて出し切れた。
最後に出し切るというよりは、都度都度必要なタイミングで必要なパワーを振り絞った感覚。
短いスプリントで都度最善を尽くす。
そしてそれらの総合点が最終的にタイムに反映される。
そんな感覚。
続いているけど、細切れの評価軸(ラップタイム)がある。
結果的にはタレずにイーブンペースで展開することが出来た。
脳筋理論だが、いくらキツくなってもタレなければポジティブスプリットではなくイーブンペースと言い張れる。
イーブンペースでのレース展開は初めてだったので嬉しい。
欲しい結果だけではなく、戦う手段を一つ増やすことが出来た。
これは大きな戦利品だ。
当たり前だがハーフマラソンはフルマラソンの半分の距離。
1分タイムを上げるために、1kmあたり倍の秒数を縮める必要がある。
1kmあたり1秒縮めると、フルマラソンなら42秒縮められるが、ハーフマラソンだと21秒しか縮められない。
トラックレースをメインでやっている方からすれば何を今更という話だと思うが、短い距離でタイム縮めるのは過酷だな。
あとは同じクラブチーム内での闘争心が今回のレースが一番熱くて楽しかった。
敵意というわけではなく、近い志と近い目標を持った者同士の熱い思いが同じ方向を向いている状態というのは当たり前におこることではない。
当たり前じゃない喜びを享受出来ている。
誇らしい。
みなさんいつもありがとう。
そう思った地元開催の素敵なレースだった。
データ
前回とピッチ数は大きく変わらず。
前回より序盤からストライドを伸ばせている。

後半もストライドを150cm弱でキープ出来ていたのは嬉しい。
ピッチ数は前半と比べて-2ほどで推移していたが、大きく崩れることはなかった。
イーブンペースは狙ってやるものではなく、粘ってやるものなのかもしれない。




